2016年03月24日

糖質が内臓を壊していく

糖質の過剰摂取、もしくは
砂糖や果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)などの
吸収されやすい形での糖分の摂取は
血糖値を急上昇させ、身体にさまざまな害を及ぼします。

血糖値の急上昇は、血糖値を下げるホルモンである
インスリンの大量放出を引き起こします。
大量のインスリンは、血糖値を急低下させ
一時的に低血糖となることがあります。

低血糖症状としては、眠気・頭のぼんやりした感じ
意欲の低下、気分の落ち込みなどがあり
昼食後に、仕事の能率を下げる一番の要因と考えられます。

低血糖に対して、身体は血糖値を上げるホルモンである
グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、甲状腺ホルモンなどを
放出し、血糖値は基準値である100mg/dL程度に収まります。

糖質の摂取量が少なかったり
砂糖や異性化糖を摂取しなければ
インスリンの大量放出にはならないので
低血糖になることは、まずありません。

しかし、現代では砂糖や異性化糖をはじめ
糖質の多くは、安く大量に手に入ってしまいます。
そのため、意識的に糖質制限をしていないと
容易に血糖値の乱高下を引き起こしてしまい
その度ごとに、ホルモンを産生する臓器に
負担をかけてしまいます。

糖質過多な食生活をしている人が
よく陥ってしまうのは、副腎疲労で
これはコルチゾールを分泌している副腎が
砂糖や異性化糖による低血糖に対応している内に
疲弊し、機能低下を起こしてしまう病態
と考えられています。

わたしは、同様に、甲状腺機能低下症も
低血糖に対応していく内に甲状腺が疲弊し
機能低下したものではないかと考えています。

また、1型糖尿病の一部も同様ではないか
と考えています。
自己免疫性疾患や遺伝性といわれることもあり
劇症型も存在するので、すべてがそうだとはいえませんが
糖質過多に対して、インスリンを大量に放出することを
繰り返した結果、インスリンを放出する膵臓のβ細胞
が疲弊し、機能低下したとしても不思議はありません。

医師となり、様々な人を本気で救いたいと
考え、行動してきましたが
医師であっても病気を必ず治せるわけではありません。
機能低下の程度によっては治らないことも多々あり
治療よりも予防の方が簡単だと思うこともあります。

人によって臓器の強さ、糖質に対する耐性は違いますが
重要なのは、身体に余計な負担をかけないということで
現代社会において
血糖値の乱高下を引き起こさない糖質制限は
身体にやさしい、自然に近い食生活である
と考えています。

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2016年03月23日

がんはアミノ酸で増殖する?

まずはコメントをご紹介します。

「先生、はじめまして。主人のどすこい体型をなんとかしようと奮闘中の主婦です。先生のブログでいっぱい勉強しています。ありがとうございます。いきなりの書き込み、ごめんなさい。 素人ながら、私もインターネットなどで色々と読んできて、「がんの餌はブドウ糖よね?」と思っていました。 ところが、今年3月7日の MIT News の記事なのでちょっと古い情報になってしまいましたが、ギガジンさんで和訳されたのが15日で私も先週読んだばかりなのですが、あらら?これは一体どういうこと?となってしまいまして。 先生はもう読まれましたか? ギガジンさんの和訳はこちらです↓ 「がん細胞はブドウ糖ではなくアミノ酸で増殖していくことが判明」http://gigazine.net/news/20160315-how-cancer-cell-growth/ ソースはこちらとのこと↓ MIT News http://news.mit.edu/2016/how-cancer-cells-fuel-their-growth-0307 このマサチューセッツ工科大のアミノ酸ががんを増殖するという説を先生がブログで取り上げられるのを待っていたのですが、我慢しきれず、つい催促でコメント欄を開いてしまいました。 先生のお話し、お待ちしております m(_ _)m 」

コメントありがとうございます。
わたしも、これ読みました。
話がややこしくなるので、昨日の記事では触れませんでしたが
日を改めて、詳しい説明が必要かと思っていましたので
コメントを入れていただいて感謝しています。

結論からいうと、ブドウ糖ががんの餌である
という事実が否定されたわけではありません。

例えば、ギガジンというサイト(http://gigazine.net/news/20160315-how-cancer-cell-growth/)では
今回の研究でHeiden准教授は、複数のがん細胞と通常の体細胞を培養皿に入れ、細胞分裂で誕生する新しい細胞が何で構成されているのかを観察しました。実験では細胞に異なる栄養素を与え、オリジナルの細胞の変化を観察。細胞分裂の前後で細胞の重さを量ったところ、ブドウ糖・グルタミン・グルタミン以外のアミノ酸を栄養として与えた細胞が体積を大きく増やしていることが分かりました。しかし、ブドウ糖とグルタミンは細胞の大部分の構成にほとんど効果がなかったことが明らかになっており、ブドウ糖で10〜15%、グルタミンは10%の効果しかなかった模様。それに対してアミノ酸が供給する炭素や窒素は、新しい細胞の20〜40%を構築するのに貢献していました。

とあり、細胞の構成成分として
ブドウ糖よりもアミノ酸の方が多く利用されている
といっているだけです。

つまり、アミノ酸は燃料ではなく
細胞の骨格として利用されている
ということです。

これは、がんだけでなく正常細胞でも同様です。
細胞膜には、物質の出入りに使われるチャネルという
タンパク質が埋め込まれています。
そのため細胞の増殖には、どうしても細胞膜の部品である
タンパク質(アミノ酸)を必要とします。

炭素もアミノ酸から持ってきているのは
炭素源はブドウ糖から、窒素源はアミノ酸から
と分けて用意するよりも
炭素も窒素もまとめてアミノ酸から持ってきた方が
効率が良いため、ではないかと思います。
(アミノ酸をさらに分解して窒素だけにする必要はないですね)

がんが細胞分裂の際、大量に消費するエネルギーは
ブドウ糖から得ているため、ブドウ糖の供給が少なければ
いくらアミノ酸を追加しても増殖は困難である
と考えられます。

ソース元のサイト(http://news.mit.edu/2016/how-cancer-cells-fuel-their-growth-0307)には
Cancer cells are notorious for their ability to divide uncontrollably and generate hordes of new tumor cells. Most of the fuel consumed by these rapidly proliferating cells is glucose, a type of sugar.

と、冒頭から、がんの増殖に利用される燃料の大部分は
ブドウ糖である、と明記されており
誤解のないように配慮されています。
ギガジンの方は、「エネルギー源」などの言葉が
少しあやふやに使われているため、混乱してしまいますね。

専門的な論文の場合、翻訳のプロであっても
誤解を招くような表現になってしまっていることもあるので
疑問に思ったら、原典に当たるのも重要です。

がんの餌(エネルギー源、燃料)はブドウ糖
がんであっても正常細胞であっても
細胞の構成成分には、アミノ酸が多く用いられる
ということです。

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2016年03月21日

がんは身体を守っている?

タンパク質や脂質は
摂り過ぎが問題になることは、ほとんどなく
糖質は、摂り過ぎると
ほとんどが体脂肪に変わる、ということは
以前の記事でもご紹介しました。

数百万年に及ぶ、人類の長い歴史上
タンパク質や脂質は摂り過ぎることがあったため
ヒトには、自然に摂取量を調整する機能が備わっており
摂り過ぎて体調を崩すということは、ほぼありません。
むしろ、タンパク質や動物性脂肪を
大量に摂取できる環境下で
身体が必要な量に調整する
というのが標準仕様だったわけです。

しかし、糖質については、現代のように
「分解・吸収されやすい形の」糖質が
「簡単に手に入る」ことは、これまでになかったため
自然な形で摂取量を調整する方法がありません。

糖質は、必要以上に存在すると
タンパク質を変性し、身体に害を及ぼすため
身体は、仕方なくブドウ糖を動物性脂肪という
無害な形に変えて、体脂肪として蓄積しますが
これも続くと、運動能力の低下として
身体に害を及ぼします。

そのため人によっては、有り余った糖質を
別の形で処理しようとします。

例えば、腎臓でのブドウ糖の再吸収を抑制し
尿として排出します。
これは不自然な状態であり、医学的には
糖尿病といわれます。

さらに、糖質の過剰摂取が続くと
酸素も必要とせず、ブドウ糖を大量に消費しつつ
ほぼ永久に増殖し続ける細胞を作り出します。
これも不自然な状態であり、医学的には
がんといわれます。

がん細胞は、宿主であるヒトが過剰に摂取した糖質を
文句も言わず(笑)ひたすら消費し、増殖します。
この様子は、PETという検査により
画像的に確認できます。

糖尿病にしても、がんにしても
発病する原因は、他にもあると思いますが
少なくとも糖質を過剰摂取しているヒトにとって
糖尿病やがんが、糖質からヒトの身体を守るシステム
として機能している、といえます。

しかし、そういったシステムを
非常手段として用いたところで
糖質の過剰摂取が収まらなければ
ヒト本体が倒れるのも時間の問題
となります。

また、そういった非常手段を用いてから
食事を、ヒトにとっての標準である
糖質制限に戻したところで、どこまで
身体の機能が戻るかは分かりません。

重要なのは、非常手段を用いることのないよう
普段から、食事をヒトにとって負担の少ない
糖質制限にすることだと思います。

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ラベル:がん 糖尿病 糖質
posted by ted at 21:21| Comment(0) | 糖質制限 がん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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